【革の部位】

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以前、【革の種類と特徴】についてご紹介しましたが、今回は補足として革の部位によって異なる特徴に焦点を当ててご紹介いたします。

革を丸々一枚取った場合、基本的に厚みを均一にしていますが、部位によって強度や特性が違ってきます。
革を丸々一枚と言ってもイメージがわきにくいと思いますが、牛で例えるとお腹から割いた場合はおおよそした図のような面になります。

中央横一文字が背骨という感じですね。
では早速部位ごとの特徴を挙げていきます。

【Shoulder / ショルダー(肩)】

比較的頻繁に動かす部位のため柔軟性があり、繊維の密度が高いので強度も兼ねそろえています。
人間の肘や膝と同じようにシワができやすい部位なので、それを活かして使用されることも多いです。

【Bends / ベンズ(背中~腰)】

繊維の密度が高く厚みがあるので丈夫な部位です。
密度や強度が均一で、面積が大きいので大型のバッグやベルトなど、幅広い用途で使われています。

【Butt / バット(尻)】

繊維束の密度が非常に高く、コシや強度がありシワも少ない部位です。
馬革ではコードバンと呼ばれ、高級レザーとして扱われています。

【Belly / ベリー(お腹、腰)】

繊維束の密度が低く、柔らかく伸びやすい部位です。
他の部位と比べて耐久性が劣るので、バッグの裏側や靴の中敷きなどで使われることが多いです。

【Neck / ネック(首)】

頸動脈を守る部位なので非常に厚く、革の中では最も厚みがあります。
強度はありますが、繊維の方向にもばらつきが多いためあまり使われることがありません。

【Head / ヘッド(頭)】

人間と同じで頭は頭蓋骨で守られているため、薄く強度も弱い部位です。
用途も殆どないため滅多に市場に出てくることはありません。

【Leg / レッグ(脚)】

面積は小さいですが厚みがあり強度も高いので、バッグの持ち手などに使われることが多い部位です。
同じ脚でも前脚と後脚で性質が異なり、蹴り脚である後脚の方が繊維の密度が高く丈夫です。

如何でしたか?
ただでさえ種類の多い革の世界、同じ革でも部位によって性質も見た目も違ってくるので本当に面白いですよね。
これを見て少しでも興味を持っていただければ幸いです。